古銭の歴史について

日本には、「貨幣学」と呼ばれる学問があるのをご存知ですか? 貨幣学とは、硬貨、紙幣、株券、メダル類などを研究する学問です。貨幣学を行っている人というのは、いわゆる「貨幣のコレクター」のようなイメージがありますが、確かにそのような節もあります。 これから古銭を買取してもらおうとする人にとって、古銭に関する知識をある程度つけておくことは、査定士や担当者とうまくコミュニケーションを取る意味でも重要なことです。そこで、貨幣学で研究されている、古銭の歴史について、その概要を確認していきましょう。

古銭が日本に伝わってきたのは600~700年頃だといわれています。日本初の古銭は、あの有名な「和同開珎」と伝えられています。当時、唐の時代だった中国より、遣唐使によって伝えられたといわれています。 やがて中国との貿易がさかんになり、中国の貨幣が広く使われるようになったことから、日本で鋳造した貨幣はなくなりつつありました。その後、江戸時代になると、「寛永通宝」が作られました。そして小判などが登場し、世間に流通するようになったのです。やがて明治時代には、一般的に当たり前の存在として、通貨が普及するようになったのです。

一円銀貨の始まり

今でこそ当たり前の一円玉ですが、初めて作られたのは明治3年の旧一円銀貨でした。とはいえ、当時は貿易専用通貨であり、国内では使用禁止でした。表には「大日本」、周囲には「明治3年」と書かれ、中央には天皇を象徴とする「竜」が刻み込まれているデザイン。裏面は、中央に太陽、周囲に双桐と菊花が配されていました。 古銭は実に魅力あふれるものです。古銭に親しみのない人でも、その歴史を紐解くと、なぜか惹かれてしまうことでしょう。みなさんもぜひ一度、その味わいを楽しんでみてはいかがでしょうか?